折の蓋を開けたときの見た目の美しさ、取り合わせも絶妙な一つ一つの料理の、しみじみとしたおいしさ……麻生要一郎さんの作るお弁当はいつしか噂になり、有名になり、ついには料理と随筆の本も出版された。ふんわりと温かくて、同時に不思議な麻生さんは、その経歴などを知れば知るほど、もっと知りたくなる存在。たとえば、あのおいしい料理を生み出す麻生さんは、いったいどこで何を食べてきたのだろう?
これは多くのファンのそんな疑問に応える、麻生要一郎さんの「思い出に彩られた舌の経歴」であり、食べる幸せと豊かな時間の記録なのです。