【麻生要一郎 つれづれなるまにまに- 日乗水彩日記-2026年1月18日日曜日 49歳の誕生会】

今年から始まった麻生要一郎さんの絵日記の連載です。日々の何気ないことや、家族のような友人たちとの様々な時間を絵と文で切り取るという、麻生さんにとっては新しい試み。
今回は麻生さんの49歳のお誕生日に友人たちが開いてくれたサプライズパーティ―の一コマです。

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絵・文・撮影/麻生要一郎

麻生さんの友人、料理人であり、「eatrip」主宰の野村友里さんがサプライズで焼いてくれたりんごのバースデ-ケーキ

毎年恒例、家族のような友人達が企画してくれているサプライズバースデーパーティー。先ずは、誰かが先手でスケジュールの確保。そのうち、誰かからちょっとずつ情報が漏れて、全貌が明らかになってくるのが面白い。

今年は、当日に我が家で皆が食事の支度をするところまでは知っていた。何のメニューかは分からない。パーティーは夜、昼間も前君が時間を、開けてという。さて何の予定だろう、そのまま夜まで出かけるかなと、色々考えた。昼間の予定は全く分からなかった。そこだけがサプライズと思っていた前日、美雨ちゃんが「明日の落語…」とLINEが来たのであった。そこでピンと来た「志の輔らくご」に違いない。特に、見ていぬフリをして反応しなかった、バラした本人からは釈明があった。

 落語の前に、お昼を食べにホテルのダイニング。パスタを食べ、食後のコーヒーを頼むと、思いがけないバースデーのデザートプレートがやって来た。昼間にも!という予想外のサプライズ。それから、札幌にいた直太朗からは「マグロ、サーモン、いくらにホッケも買ったよ!」と、連絡があった。「今夜は手巻き寿司も良いかも!カレーも持っていくよ!」とある。それなら、ごはんは多めに炊いておこうと炊飯器をセットした。

陽が傾くと皆が集まってきて、僕はリビングで仕事をしていたのだが、皆が料理を作ってくれている様子、風船を膨らましての飾りつけ、皆から「今日は何もしないでよー!」と、言われながらも、耳が良いのでキッチンで「あれどこだっけ?」という声にも、ついつい答えてしまう。何もしないでよと言われるほどに、もじもじと落ち着きがなくなってしまう。ごはんが完成しても、誰かのグラスが空になってると、またうろうろし始めた。

ケーキの時間、美雨ちゃんと直太朗の歌声に、真美子さんのピアノ、皆に見守られ、バースデーケーキが運ばれてきた。幸せなこと。その場にはいない、友里ちゃんの林檎ケーキ。こちらは本当にサプライズ。忙しいのに、いつの間に焼いて届けてくれたのだろう。嬉しくて、幸せな49歳の誕生日、気がつけば父親よりも4つも歳上になっていたのだ。

●登場する”家族”たちのご紹介
前君 友人。前 康輔(写真家)
美雨ちゃん 友人。坂本美雨(ミュージシャン)
直太朗 友人。森山直太朗(フォークシンガー)
真美子さん 友人。平井真美子(作曲家、ピアニスト)
友里ちゃん 友人。野村友里(料理人)レストランやショップなどを運営する。「eatrip」主宰。

※ご質問は麻生さんのインスタグラムで不定期に募集中。

今月の質問:Nさんより
Q:「親しい方達と囲む夕餉の献立はいつ決めるのでしょう?」
A:当日のこともあれば、前日に決めることも。一緒に食卓を囲む顔が浮かんで閃いたり、冷蔵庫にあるものから考えたり……きっとそれは皆さんと同じこと。

著者紹介
麻生要一郎(あそう よういちろう)

料理家、文筆家。家庭的な味わいのお弁当やケータリングが、他にはないおいしさと評判になり、日々の食事を記録したインスタグラムでも多くのフォロワーを獲得。料理家として活躍しながら自らの経験を綴った、エッセイとレシピの「僕の献立 本日もお疲れ様でした」、「僕のいたわり飯」(光文社)の2冊の著書を刊行。現在は雑誌やウェブサイトで連載も多数。2024年は3冊目の書籍「僕のたべもの日記 365」(光文社)を刊行。また、最新刊は当サイトの連載をまとめ、吉本ばななさんとの対談を掲載した「僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22」(オレンジページ)。 最新刊は当サイトの連載に自伝部分をたっぷり書き下ろした『酸いも、甘いも。あの人がいた食卓1977-2025』。

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