妻がいないと、暮らせない?ー妻不在時の夫の不安ー

●「約3人に1人」が妻不在時に生活面で不安を感じる

約3人に1人の男性が「妻がいないとき、生活に不安を感じる」と答えています。数字だけを見れば冷静な統計ですが、そこには日常の積み重ねが映し出されています。料理ができない、掃除が苦手、といった家事スキルの不足だけでなく、日々の細やかな判断や段取りを“妻に任せてきた”結果が、こうした不安につながっているのかもしれません。

「このお椀は食洗器で洗っていいのか?」「え~~と、印鑑ってどにあるんだろう」とか。

「私がいなくなったらどうするの?」という問いかけは、冗談のように聞こえることもありますが、実は生活の設計図が片方に偏っていることへの小さな警鐘です。暮らしを支える役割が一方に集中すると、もう一方は“担わないことに慣れてしまう”。その慣れが積み重なると、いざというときに戸惑ってしまうのです。これは、男性を責めているのではありません。夫婦相互の問題なのです。

自立とは、孤独に生きる力を意味するのではありません。むしろ、生活を共に営む人がいなくなったときに“どう暮らしを続けるか”を考える力であるのでしょう。それは極端に難しいことでもないのです。たとえばごはんが炊けて、味噌汁を作れるようになること、生活費の管理を少しずつ把握すること、子供の明日の行事を把握し共有すること、日常の小さな判断(洗って乾燥させた食器別の収納場所を覚えるなど)を自分で試してみること――それらは「もしもの時」に備えるだけでなく、ふたりの暮らしをより対等で安心できるものにするための一歩です。

数字の背後には、生活のリアルな風景があります。30.7%という割合は、私たち自身の暮らしの中に潜む問いを映し出しているのだと思います。

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「ジリメンのススメ」佐藤尚之