オレンジページが行った調査から興味深い数字を抜粋してご紹介する「beyond the number」。
今回からは「美容」に関する数字をご紹介します。
―女性と化粧-ここを入り口とすると、様々なことを考えることができそうです。
化粧の役割の変遷など歴史的な考察も面白いし、ジェンダーの問題も語れるし、自己肯定感との関係、心理的な変化、などなど。
メイク、化粧、コスメとは女性にとって何か、ウェルビーイングとどうかかわるのか。
それについて、今回からアンケート調査の数字の向こう側にあるものを探ってみたいと思います。
化粧は、長いあいだ「女性が社会で求められるふるまい」の一部だったと思います。 “きちんとして見えるように”“失礼のないように”。 そんな無意識の規範がたしかにあったし、今もあります。
でも今、その意味は、女性というジェンダーの立ち位置の変化とともに、当たり前ですが、変わりました。
オレンジページ2025年の調査で最も多かったのは 「自分を大切にするセルフケアのひとつ」と答えた人で61%です。
今回取り上げるのは、同じ質問で得た「気分を上げるため」44%―この数字をきっかけに考えてみます。
これはウェルビーイングと深くかかわるものだと思います。
“気分が上がる”という小さな変化
メイクをすると、鏡の中の自分が少し整う。 でも、気分が上がる理由はそれだけではないのです。
メイクやスキンケアの最中、人は自分の顔に触れ、 「今日の私」、つまり自分に意識を向ける時間ができる。
忙しい日々の中で、 自分を労る、自分の顔と向き合う時間は驚くほど少ないのでは?
44%の人が「気分が上がる」と答えるのには、無意識に「自分の今日の状態」と向き合った結果もたらされるものではないでしょうか?
“社会のための化粧”と“自分を取り戻す化粧”
先日、@cosme創業者・山田メユミさんに話を聞いたとき、 「美容は、女性の役割そのものとつながっている」と感じました。
かつては、 “女性らしく見えるように” “周囲に迷惑をかけないように” そんな外側の視線が、化粧の背景にありました。でも今は、 先ほどの、“美容は 「自分を大切にするセルフケア」61% ”というデータもあるように、化粧は、社会の規範に合わせるためのものから、 自分の気持ちを整えるための行為へと変わった、これは事実だと思います。
そう、スキンケアやメイクは究極のセルフケア、とは言えないでしょうか。
特にスキンケアは、「自分を大事にする」労わりの行為だし、メイクは「自分の好きな自分の顔」にする具体的方法ですから。
数字の向こう側にあるもの
44%という数字は、 メイクが“気分”に作用するという事実を示している。
でもその向こう側には、 もっと深い物語があるようにも感じます。
・肌や顔全体を整えることで、心が整う
・「今日は眉がうまく描けた!」「昨日のクリームで肌が潤っている!」といった、小さな成功体験が自己肯定感を支える
・メイクは「すっぴんとは異なる“自分を整えるための儀式”」になっている
スキンケア・メイクは、ただの美容行為ではなく、自己肯定感を上げ、心のコンディションを整える、ウェルビーイングと深く結びつくものであることは確かなようです。
近年、男性もスキンケアやメイクをきちんと考え、実行する人が増えました。このことが将来の社会にもたらすものは何でしょうか。
何となく、いいことのほうが多い気がします。














