前提:調査対象はオレンジページ読者コミュニティ—食や暮らしへの感度が高い層
この調査は、オレンジページの読者コミュニティである オレンジページメンバーズ(約6万人) を対象に2023年に行われたもの。
メンバーズは「生活感度が高い」「豊かな暮らしにプロアクティブ」「試す・作る・発信することに積極的」 という特徴を持ち、暮らし全般、特に食や料理への関心が高い層です。
つまり、食を重視する傾向が強いのは当然の前提条件です。
それでもなお、 同じコミュニティの中でも、
ウェルビーイングの高低によって“食とつながり”の感じ方がかなり極端に分かれた という事実が、この調査によって浮かび上がりました。
数字:ほぼ5人に5人(=96%)と、2人に1人(=48%)
「食事を共にすることで、人とのつながりが深まると思うか?」 この問いに対する回答は以下です。
ウェルビーイングが高い人のうち、ほぼ5人に5人(=96%)が“そう思う”と答えたのに対して、
ウェルビーイングが低い人では、2人に1人(=48%)しかそう答えていない。
大雑把に分類すれば、ウェルビーイング度の高い人=自分の生活に満足している人、低い人=何らかの不満足感がある人、ということになります。
つまり、食は人とのつながりを深めると感じていない人は生活満足度、幸福度が低い傾向がある、ということに。
ウェルビーイングを「共食」という視点から照らすとどんなことが見えるのでしょうか。
研究が示す「食卓とウェルビーイングの深い関係」
ギャラップ社※のウェルビーイングモデルでは、 幸福度を左右する最重要因子のひとつが “Relationships(関係性)”。
「誰と時間を過ごすか」「どんな会話があるか」「心地よい関係性があるか」―これらが人の幸せ、生活満足度を強く押し上げるということ。
この3つはどの場面でも重要ですが、特に、食事の場ではそれがあるかないかが生活全体の満足度に大きく関わりそうです。
※ギャラップ社:1935年創業の米国発の調査・分析会社。世界的な世論調査や従業員エンゲージメント調査を行い、ウェルビーイングや働き方に関する指標を継続的に発表している。160カ国以上のデータを持ち、国際比較に用いられる信頼性の高い調査機関。
数字の向こう側:食卓は“もっとも身近なコミュニティ空間”だった
食卓は、本来ただ食べる場所ではないはずです。
家族で他愛ないことを話したり、友人たちとは思い出話や近況、悩みを話しあったり。
会社の同僚とも仕事以外の話も出るでしょう。そして、知らなかった意外な面を発見することもあるはず。
どの場合でも、その間、相手の表情も見るし、食べる様子も自然に見ながら体調を気遣ったりも。
こうした小さなやり取りが、 関係性を確実に育てていく。
そこには、感謝、承認、喜びの共有が生まれやすい状況が確かにあります。
ウェルビーイング度の低い層では「つながりの実感」が半減していた
ウェルビーイング度の低い層では 「食は人とのつながりを深める」と答えた人は 2人に1人(=48%) にとどまりました。
自由回答でも、「あてはまるものはない」、「一人で食べるほうが気楽」、「人と食べるのは疲れる」といった声が多く、 食卓が“コミュニケーションの場”ではなく“負担”になっているのではと思える傾向があります。
人それぞれ、とはいうものの
「食は人とのつながりを深めるかどうか」についての考えは、 その人のウェルビーイングを映す“ひとつの指標”であると言えます。
ウェルビーイング度が高い人は、 自然に「つながりを築く場面」として、食事の場の大切さを経験上知っています。
そして、「友人や知り合いが多い」人のウェルビーイング度が高いことはデータが示す事実。
とはいえ、食事以外のことで十分な人間関係が築けているなら問題は無し、でしょう。
人と食べるのは疲れる、一人の方が気楽、とは、誰かと一緒にごはんを食べるのが好きな人でも思うことはたびたびありますし。
でも、長い人生の中で人とのゆるいつながりは、次第にその重要性を実感できるもの。
たまには誰かを誘ってごはんしませんか?














