「やりたいこと」を探す前に、「どうありたいか」を考える
武蔵野美術大学Ma「beからはじめるライフデザイン宣言」から見えてきたこと
今年8月、武蔵野美術大学インキュベーションプログラムの一つとして5回連続の講座が開かれました。
その名も「beからはじめるライフデザイン宣言」。
ともすると人は「何をしているか」ばかりを問われがちです。
「何がしたいの?」とは聞かれても「あなたはどんな人なの?」とはなかなか聞かれない。
自分に対しても「私は何をしたいのか?」を問い詰めてしまう。
この「do」ばかりを聞かれていると「be」を考える習慣がなくなってしまいます。
「何がしたいか」を考える前に「わたしとはどんな人か」を自分自身に向き合って問いかけることが大事なのかも。その試みがこの5回の講座でした。
5回の内容は以下です。
第1回:ナビゲーターによる口座の趣旨説明と導入
第2~4回:各回異なる講師によるワークショップ
第5回:各人が「自分のこれから」について発表。『ソトコト』編集長の指出一正さんによる講評
ナビゲーター紹介
本講座では、参加者一人ひとりの語りを整理し、私的な実感を社会につながる言葉へ翻訳する役割として、3人のナビゲーターが伴走しました。
指出一正
『ソトコト』編集長。地域と人との新しい関わり方を提案する「関係人口」の提唱者のひとり。全国各地の自治体や官公庁のアドバイザーも務めています。
酒井博基
『ナラティブモデル』著者。人それぞれの物語を手がかりに、生き方や働き方を再編集する実践を続けています。
前田洋子
「ウェルビーイング100」編集長。編集という視点から、人と社会、自分自身との関係を見つめ直す場づくりにも取り組んでいます。
人生を編集するためのナビゲーションと3つの問い
この講座では、各界で活躍するゲスト講師の著書や実践を手がかりに、自分自身へ問いを向けるヒントに満ちた話やワークショップが重ねられました。

第1回レポートはこちら
この取り組みがどのような背景から生まれたのか、などについての指出一正、酒井博基、前田洋子による導入セッションの内容は、こちらから読むことができます。
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第1回「beからはじめるライフデザイン宣言」
第2回:「私は、どんな自分として人とつながりたいのだろう?」

第2回講師は、『自己紹介2.0』の著者であり、Tokyo Work Design Weekオーガナイザーでもある 横石崇さん。
私たちは自己紹介をするとき、肩書きや所属を語りがちです。
しかし本当に大切なのは、「私は誰なのか」ではなく、「私はどんな関係性を育みたいのか」ではないか。
横石崇さんは、自己紹介を単なる経歴の説明ではなく、未来を語る行為として捉え直します。人は「未来」を語る人とかかわっていきたいはず。誰の前で、どんな自分として語りたいのか。
その問いは、社会とのつながり方そのものを見つめ直すきっかけになりました。
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第2回「私は、どんな自分として人とつながりたいのだろう?」
第3回:「私は、どんな本音をまだ言葉にできていないのだろう?」

第3回ゲストは、『自分の本音を言葉にできる。』の著者でもある 黒田悠介さん。
私たちの日々は選択の連続ですが、「自分は本当にそう思っているのか?」という自問はないでしょうか?
自分の中に生まれる何らかの違和感の背景には、まだ言葉になっていない気持ちがあります。
本当は大切にしたいこと。 手放したいこと。 なぜか引っかかること。
あれ? 自分は本音を言えなくなって知っているのか?
黒田悠介さんの回では、自分の内側で起きていることに耳を澄ませ、本音を少しずつ言語化していくことの意味とその訓練方法について語られました。
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第3回「私は、どんな本音をまだ言葉にできていないのだろう?」
第4回:「私は、どんな在り方を大切にして生きたいのだろう?」

第4回ゲストは、『beの肩書き』著者であり、さとのば大学学長の 兼松佳宏さん。
この回で語られたのは、講座全体のテーマでもある「be」の話です。
私たちは、 何をしている人なのか。 どんな成果を出しているのか。 どんな肩書きを持っているのか。
そんな「do」を軸に自分を説明しがちです。
しかし、その前に考えたいことがある。
どんな姿勢で生きたいのか。 どんな顔つきで毎日を過ごしたいのか。
どんな大人でありたいのか。
Doingの前にBeingがある。
兼松佳宏さんとの対話を通じて、参加者それぞれが、自分自身の「在り方」に向き合いました。
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第4回「私は、どんな在り方を大切にして生きたいのだろう?」
最終回 この講座が目指した「宣言」とは
最終回で参加者が宣言するのは、壮大な人生計画ではありません。
それぞれが考える、
「大切にしたい在り方」
「手放したい前提」
「増やしたい時間」
「半年以内に試してみたいこと」
「関わってみたい人や場所」
そんな「人生の編集方針」です。
人生の正解を見つけるためではなく、自分なりの納得感を見つける、または探すための宣言。
それが「ライフデザイン宣言」でした。
この回のレポートはありませんが、各人の発表と指出一正さんの講評は感動的でした。
参加者はみな「自分についてこんなに考えたことはなかった」と、笑顔に。
この連続講座、再度開催されるときにはまたご案内します。
楽しみにしていてください。
















