世界最古の薬局が作るポプリ。

ワタクシが毎日をご機嫌に過ごせている秘訣。
それは、日々の暮らしに
「好き」がいっぱいあることだと思うのです。

たまに落ち込んで涙したり、
イライラもしますが、
すぐに自分を笑顔にしてくれる
大小さまざまなお気に入りが
身の回りにたくさんあるので
ふと気づくと
楽しく嬉しい気持ちになっているのが常。

ワタクシが能天気で忘れっぽい性格なのでは?
そんなご指摘もツッコミも、ごもっとも。

でも、ワタクシは自分の「好き」を
発見することを
誇らしく日々楽しんでいます。
密かな愛用品、贔屓の店、アガる味。
旅、人、音楽、映画など。
特別なもの、些細なもの、
高価なもの、チープなもの、
もしかしたら、取るに足らないものも!?

そんなワタクシの大切な「偏愛」を
この連載ではご紹介させていただきます。
お付き合いいただけましたら、嬉しいです。

撮影・文/池水みと


ワタクシの住まいの玄関には、
京都を旅した際に
一目惚れして買い求めた
直径30センチもある
骨董の鉢が置いてあります。

その大鉢の中にはいつも
お気に入りのポプリを山盛りにして
玄関を香りでやさしく
満たすようにしているのですが、

外出先から戻って扉を開けた時に
気持ちよい香りが
真っ先に漂ってくるというのは、
なかなかの気分の良さ!

茶色い見た目から
枯れ葉や枯れ草のようだと
思う方がいるかもしれませんが、

エキゾチックで、スパイシーで
個性的でありながらも、
森のような落ち着きや
湿り気のある土っぽさも感じられて
不思議な香りなのです。

そして、このえもいわれぬ香り。
実は、性別問わず幅広い方に
好まれるようでして。

配送業者の男性スタッフが去り際に
「なんか玄関がいい香りですね!」と
笑顔で言ってくれたことが
あったほど!

ワタクシの大好きな
こちらのポプリは
世界最古の薬局と言われる
サンタ・マリア・ノヴェッラのもの。

サンタ・マリア・ノヴェッラ
(Santa Maria Novella)は、
1221年にイタリア・フィレンツェの
サンタ・マリア・ノヴェッラ修道院に
務めるドミニコ会の修道士が
庭園で自ら栽培した薬草を使って
修道院内にある薬局で製薬・研究を
していたのが始まりとされます。

800年に及ぶ歴史の中で
香水、石鹸、クリームなど
天然の材料を用いた
数多くのアイテムを生み出し、
フィレンツェを統治したメディチ家や
ナポレオン、ヨーロッパの王侯貴族など
多くの人々に愛されてきました。

3世紀以上の歴史がある
サンタ・マリア・ノヴェッラのポプリは
今でも伝統的な製法が守られています。

トスカーナの丘で自生する草花や
植物の実、スパイスやオイル、
樹脂を混ぜ合わせて熟成。

そうすることで
独特のスパイシーで芳醇な香りが
生み出されるのだとか。

室内香の「ポプリ」といえば、
薔薇など香りの良い花びらやハーブを
乾燥させ、香料を混ぜ入れて作る
ドライポプリが
芳香剤やインテリアのアクセントとして
日本では広く知られていますが、
今回ご紹介するポプリは
それとは異なる
ウエットタイプのポプリ。

香水はシュッと吹きかけてから
数時間で香りが消えていきますが
ウエットなポプリは、
静かで重みのある香り方をさせながら
持続的に香りを放ってくれます。

サンタ・マリア・ノヴェッラのポプリは
密閉袋に入っているので
開封直後はその
強い湿り気と香りに驚くほど!

そのためワタクシは
空気に触れて乾燥したポプリに、
新しいポプリを少しずつ
継ぎ足しながら
楽しむことにしています。

開封直後のしっとりポプリ(左)は
触ると柔らかく、鮮烈に香ります。
乾いて軽くなったポプリ(右)は
ほんのりと香ります。
(見た目がだいぶ違いますよね)

友人が家に遊びにくる日の朝に、
玄関の大鉢に新しいポプリを
スプーン1、2杯程度加える位が
ワタクシにとっての
ちょうど良いさじ加減のようです。

画像提供:Yamano & Associates

ポプリの日常使いの方法は様々で
玄関に置いておくほかに、
浅い小皿やボウルに少量乗せて
洗面所や枕元、
靴箱の中に置くことも。

ウエットな状態では難しいですが
ポプリが乾いてきたら
メッシュの小袋に詰めたり
和紙で包んで
クローゼットで
ほのかに香らせたりもできます。

引き出しを開けたときに
香りで気持ちが華やぎます。

サンタ・マリア・ノヴェッラでは
ロゴ入りのシルクのサシェに入った
ポプリも販売されていますが
…これをギフトでいただけたら素敵!

車の運転が好きな方は、
車内の灰皿入れにポプリを入れたり
サシェを車内に置いてもらいたいな。
天然成分のみのポプリは
芳香剤が苦手な方にこそおすすめです。

画像提供:Yamano & Associates

サンタ・マリア・ノヴェッラは
ポプリ以外にも
アイテムの種類が豊富で
驚かされますが、
オンライン購入が可能です。

ですが、ワタクシは
機会が許せば、
直接ショップでの購入を
強くおすすめしたいです。

写真にあるフィレンツェの本店を
何年も前に訪れましたが、
ミュージアムショップになった
旧薬房の調度品、丸天井、
フレスコ画、古来の道具や蒸留器など
目を見張る美しさが印象的でした。

日本にも路面店や百貨店内の
ショップが多数ありますが、
なかでもワタクシは
サンタ・マリア・ノヴェッラの
クラシカルな世界観で
四方全てを囲まれる
東京・丸の内店が好きです。

社会人になりたての頃に
仕事の切れ味抜群の先輩に
サンタ・マリア・ノヴェッラの
石鹸を教えていただいて以来
ファンなのですが、

いつでもお店を訪れると
その非日常感と異国感、
タイムスリップ感に
わくわくさせられるのです。

【インフォメーション】

Santa Maria Novella
サンタ・マリア・ノヴェッラ

公式ブランドサイト
http://www.santamarianovella.jp
https://buy.smnovella.jp

公式SNS
https://www.instagram.com/santamarianovellajapan/

池水みと / MITO Ikemizu
鹿児島ルーツの東京育ち。プロデューサー・編集者・ライター。リクルート在職中にアロマセラピスト資格を取得。フリーランスになってから調理師免許を取得。築地・豊洲の目利きと一緒に日本の伝統的な魚食文化の魅力を紹介するワークショップ「おいしい塩干教室」を主宰。「東京すし和食調理専門学校」が欧州に和食文化を伝える研修活動など海外向けプログラムに企画・通訳で関わる。幼少期にフィリピン、高校時代にブラジルに暮らしていたことから、日本文化への興味が強く、趣味は三味線・茶道・和菓子作り。最近の関心事は健康と予防医学。夢は自作絵本の出版。