ウェルビーイングの鍵は生活リズムにあった!

コロナ禍でオンラインレッスンが花盛り。
自宅にいながら誰とでもつながれて、何でもできるいい時代になった。
そんな中で、ちょっと毛色の違うオンラインコミュニティが注目を集めている。
それが『Nesto』。
『Nesto』に集う人たちは、技術や資格を得たいのではなく、
アクティビティを通して同じ時間を共有することが心地いいのだという。
その求めるものは何? 行きつく先にはいったい何があるのだろう。
『Nesto』を創立したふたりが暮らす鎌倉の古民家へ、
その想いを聞きに訪ねてみた。

お話しをうかがった人/(株)NESTO CEO 藤代健介さん、CXO 横山詩歩さん
聞き手/ウェルビーイング勉強家:酒井博基、ウェルビーイング100 byオレンジページ編集長:前田洋子
撮影/小島沙緒里
文/小林みどり


━━━まずは『Nesto』のサービスやコンセプトについてお聞かせください。

横山さん(以下、横山)「『Nesto』には『リズム』という単位のコミュニティがあり、同じ時間にオンラインで集まってなんらかの習慣をユーザーのみなさんと一緒にやっています。オンラインで場所を提供する、というサービスです。

たとえば、平日の毎朝8時半にオンラインで一緒にチベット体操をするとか、毎週火曜日の夜9時半には読書をするなど、一定の時間に人々が集まって同じことをする。そういった習慣の場を提供しています。

特にコロナ禍で外に出られない時期があり、オンラインヨガなどオンラインのレッスンは増えてきていると思うのですが、一般的には先生がいらっしゃって、オンラインで講義をしたり何かを教えたりして、参加者はそれを教わるという受動的な関係性のサービスが多いと思います。

でも『Nesto』の『リズム』には、先生ではなく、その場を主宰してくれるホストがいます。
分かりやすく例えると、ディナーパーティを主宰してお客様を招くホストと同じですね。今日おうちでディナーパーティをやるからおいでよ、みんなでご飯たべよう、というくらいのイメージなんです。
そのホストを主役にしてお誕生日会を開くとか、お料理教室みたいにホストが先生になってみんなに教えるとか、そういう関係性ではありません。
みんなが気持ちよくご飯が食べられるように気を配る役割がホスト。ディナーパーティの間はホストも含め参加者全員がフラットな関係性ですが、とはいえ、みんなちゃんと食べているかなと気を遣う役割、そんな位置づけですね。

お世話役という言い方を最近はよくしているのですが、みんなが気持ちよくいられるようにお世話をする役割であって、教えるとか主役になってパフォーマンスするとか、そういう感じではないですね」

━━━つまり1:Nの関係性ではなく、N同士をつなげていく役割でしょうか。実際にホストの方はどんなふるまいをされているのでしょう。

横山「そのホストが一番続けたい習慣だったり、そのホスト自身がウェルビーイングであるためにこういう習慣が日常的にあったらいいなと思うものを、『リズム』としてみんなに開いてもらっています。
たとえばチベット体操のホストの方は、チベット体操が好きで毎朝やっているけれど、ひとりで毎日続けるのはけっこう大変だよねというときに、こういう場を自分が主宰することで自分も習慣化できるわけです。

私は読書を行う『バカンス読書のリズム』のホストをしていますが、どうしても仕事の本ばかり読んでしまうけれど週に1回くらいはゆっくりできる読書の時間がほしいな、と思ったのがきっかけです。
ひとりでも読書はできるはずなんですが、意外と自分のための読書って意識しないとちゃんと続かなくて。それで読書の『リズム』を開いてみたら、“私も実は読書の習慣が身につかなくて”という方や、“一回読んだ本を読み返す時間がないから、そういう読書の時間がほしいと思っていた”という方々が集まって、場が成り立っています。
つまり、ホスト自体が、『リズム』の参加者であり当事者なんですね」

『バカンス読書のリズム』も同じ時間を「読書」という行為で共有するだけ。

━━━なるほど。そういう仕組みだと、ホストをやりたい人は多そうですね。

藤代さん(以下、藤代)「『Nesto』全体の独特のグルーヴ感やバイブス感を出すためにも、ホストは公募や立候補などではなく、僕から声をかけています。
ホストはふたり一組で、ペアを組むもうひとりについては、『Nesto』がどういう場かをよく説明して、それを知ったうえであなたが信頼する人なら誰でもいいですよ、という誘い方をしています。

こうすることで、なんでホストにこの人がいるの? となったときに、僕を媒介にして信頼性が担保されます。藤代が信頼して連れてきた人だよと。自信をもって、ホストとホストをつなげられる関係性になっているんですね」

━━━レクチャー型ではなく場を提供という発想がおもしろいですね。レクチャー型はほとんどがオンデマンドで配信できると思うのですが、おそらく『Nesto』は1回1回の場の温まり方、そこに居合わせるメンバーによって温度感がかわってきそうですね。

藤代「4月に始まったピラティスの『自覚していくピラティスのリズム』は、ホストも含めてみんなでYouTube見てますね(笑) ホストもピラティスの専門家ではありますが、教えちゃうと自分のための時間ではなくなってしまう。だから、みんなでYouTube見ましょうと言って、YouTubeを見ながらピラティスをやった後に、ホストとしてみんなとのおしゃべりをリードしていますよ。だから逆に、オンデマンドのコンテンツを利用しているくらいですね」

横山「本当はYouTubeを見てひとりひとりが勝手にやればいい話なんですよ。でも、いつでもどこでもできるとなると、意外とできなかったりするじゃないですか。なんか時間が作れないとか、三日坊主で終わっちゃうとか。

でも、その場を共有することでつながるものがあるとか、育まれるものがあるからこそ、その面白さがあって習慣化される。『リズム』は、そういうものだと思っています」

━━━人の関係性ありきのウェルビーイングを、オンライン上で意識されているように感じます。どういった経緯でこのサービスを始めたのですか。

藤代「僕はもともと空間の中に場を作ってきていて、拡張家族『Cift』のアップデート版をニューヨークにも作ろうと渡米したのですが、コロナの影響やイデオロギー的な問題などいろいろあってうまくいかなかったんですね。
それで帰国してから、ニューヨークという場所で作るよりも、時間という場所で作ったほうがおもしろそうだぞと発想を変えまして。

時間という場を作るということは、たとえばコワーキングスペースを利用するのと同じような感覚で、何時に何がある、という形ですね。それは結果的に、時を刻むリズムのような習慣、連続性、継続性が必要だなと考えたわけです。

一方で、ウェルビーイングの文脈で言うと、大きくふたつの観点があります。

いかにお金を稼ぐか、いかに自分の承認欲求を満たすかが力の源泉だった近代の時代から、自分がありのままで心地よくなれること自体に価値がある、という時代にこれからなっていくでしょう。つまり、ウェルビーイング自体が力の源泉になる。

藤代さんがホストを務める『のびのび図工のリズム』。参加者めいめいが何かを作る時間。

今までは、自分が自己実現できて承認欲求を満たされレバレッジが効いてキラキラしている人が輝いて見えたけれど、今は、すごく自然体で一緒にいると落ち着くという人に、人が集まっていく。それは、そこに力があるということ。長い目で見て、今後ウェルビーイング自体が力の源泉になっていくだろうと考えたことが、まずひとつのきっかけですね。

一方で短期的には、今、時代の変わり目にいて、コロナしかり、戦争の話しかりで、自分の精神が外側にぐわんぐわん持っていかれる。SNSも含めてアテンションエコノミーで、自分というものが他者の思惑でコントロールされていて、自分を見失い、SNSの中の“いいね”で自分のアイデンティティを築こうとするような時代になっています。

戦争の情報に一喜一憂して自分の生活がままならないとか、心の問題に対して非常にゆらぎがあるときに、心が乱れがちなときだからこそ心身一体、体を整えることがとても重要であると言われます。それはたぶん、潜在的に社会のニーズがあって、だからウェルビーイングが騒がれているのでしょう。
『Nesto』にもヨガやピラティスの『リズム』があって、体が整えば心も整うというのは、もちろんあると思います。

ただ、そういったコンテンツの中身以前の話で、どんな心の状態でも、どんなに心が揺れ動いていても、自分が帰ってこられるポイントというものを時間上に持つと、人は「正気」を保てるんですよね。
読書でもいいしお酒を飲むのでもいいかもしれない。平時の状態というのを自分の時間上のポイントに作って、それを積み重ねていくことで、常に戻ってこられる場所。

私たちは時間と空間の世界で生きているわけですが、時間というものとどうつき合うかで、自分の心と体のバランスに非常に影響が及ぶ。時間を扱うことが、もっとも抽象的だけれどもっとも本質的で、そこさえ押さえておけば自分はけっこう正気を保ちやすいんじゃないかなと思うんです。

だから『Nesto』は、コンテンツの内容をよくしようではなく、同じ時間に同じことをやることに価値を置きます。時間という場を提供することで、みんながそこで平時になれる、正気を保てる。有事な時代だからこそ、空間上に有事が起きても時間上のその場には平時がある。そうすると、ハッと気づくことができたり、戻ってこられたりする。そういうサービスをやりたいなと思いますね」

横山「実際に読書の『リズム』に毎週参加している方で、“参加できないときがあると自分は今忙しいんだなという認知になる”とか、『リズム』の時間が気持ちの穏やかさを測るバロメーターになっていて、“平時は穏やかな気持ちで参加しているのに今日はなんだか違和感があるぞと自分の小さな変化に気づきやすくなる”という声があるんですね。

淡々と、毎回同じことを繰り返しているわけですよね、『リズム』というのは。オンラインヨガなどは毎回コンテンツも違って鍛えるパーツが毎回違ったりしますが、『Nesto』は基本的に毎回毎回同じことをやっていて、だからこそ自分のニュートラルな状態に戻れたり、心身の状態を知るバロメーターになったり。そこがおもしろいと思いますね」

藤代「資本主義って時間=お金だから、時間というものをどれだけ凝縮して高単価にするか、時間をどれだけ効率的にするか、ということをやるわけですよ。どれだけ効率よくレバレッジをかけて稼げるか、つまり時間をどれだけ短縮できるか。

それは、『モモ』(ミヒャエル・エンデ著)の世界で言っている時間泥棒そのもの。時間というものは濃縮すればするほど未来に余裕ができるんだと思ったら、そこには灰色の世界しかなくて、実は自分の心身みたいなものが削られていっていたんだと。

純粋に1倍速の時間、命としての1倍速、朝に太陽が出て夕方沈むという1倍速の生命としての時間を、これだけレバレッジにうるさい時代に、ほんの30分でいいから取りもどすことで正気に戻れるよね、というのが『Nesto』のコンセプトですね」

━━━『リズム』ではどんなことをしているのか、いくつか具体的に教えてください。

横山「私がおもしろいと思ったのは、生け花を行う『野草一会のリズム』ですね。リーダー役のホストは生け花などを教えるプロフェッショナルですが、彼女は『リズム』では生け花は教えていなくて、自分も参加者の一員として行動しています。
まず、外に出て野草を取りに行きます。私は庭の花を摘んだりしますが、街中に住んでいる方もがんばって駐車場のわきに生えているような小花やおもしろい草を見つけてきて、今日はこの子たちと目が合ったねと連れ帰り、それを使って生け花をするんです。

このホストのお話しがとても印象的でした。今は買ってきたお花をきれいにアレンジして部屋に飾る人が多いけれど、自然はどこにでもあるということ。
そして、お花屋さんのお花は人の目から見てはっきりと美しく、そして使いやすい状態で手元に届くので、買ってきたお花は「こうしたら花がいきる」というストライクゾーンが広いけれど、野草はその辺に自由に生えているものなので、人の思惑、人からどう見えるかなど知ったこっちゃない。そんなワイルドな野草を、どうやったら素敵に見えるだろうと対話しながら花を活けるのは、生け花の根源的な意味にもどるような行為だと言うのですね。

もういくつかご紹介すると、日曜日の朝6時10分にランニングをする『JOY&RUNのリズム』があります。そのホストはもともとランニングをしていてレースにも出る方なんですが、最近のランニングはやせるためにとか、タイムをよくするために、距離を伸ばすためになど、ちょっとがんばるランニングに傾き過ぎではないかと感じている。だから、週に一回くらいは何か気づきを得たり楽しむランニングをやってみませんか、というお誘いなんですね。

そのホストが『リズム』の冒頭で、今日は自分の体の声を聞きながら走りましょう、今日はこういう自然を探しながらやってみましょうというお題を提案し、その気づきを楽しみながらランニングする。なので、歩いてもいいし途中で写真を撮ってもいいんです。いつもならランニングのアプリを使ったりなるべく遠くまで走ろう、あと15分がんばろうとやっている人も、この『JOY&RUN』を通して、楽しむランニングを生活の中に取り入れましょうという思いがあります。

あとは、『骨逆立ち禅のリズム』もおもしろいですよ。平日の朝8時半に逆立ちをする『リズム』です。どんなものか興味をそそられますよね。実際に参加してみたんですが、逆立ちにもいろいろな形態があり、“やったことがなかったけれど意外にできた”と晴れやかな顏をされている参加者もけっこういて、私も2回目くらいでできるようになりました。

私はいわゆる瞑想がそれほど得意ではないのですが、逆立ちをしていると意識が集中するのか、瞑想がしやすいし体の声も聴きやすかったですね。それを毎朝の習慣にするのは素敵なことですよね」

━━━花を美しく活ける方法や長く走る方法を会得する場ではなく、こういう時間の使い方もあるよという、時間に対する提案なんですね。

藤代「そうですね。本質的には、その1倍速の時間に対して集中するという、一種の瞑想なんだと思います。もっと踏み込むと、祈りに通じるものだと思うんです。

これまであまりにも近代志向、左脳志向、科学志向に行き過ぎていて、かと言って宗教最高とか右脳志向、直感だけで生きてOKみたいなのも行き過ぎ。そのバランスをとりたいとなったとき、人々の心の中に祈りが出てくる。神頼みではなく、自分という存在は世界や宇宙の一部であり、自分が変われば世界も変わると信じて、自分でできることを実践していくわけです。『Nesto』の『リズム』は、そこに対するひとつのアプローチだと感じています」

いきものとふれあう、『思いやるいきもののリズム』というものもある。

━━━福利厚生はいいですね。真面目に会社勤めをしている人だからこそ、『Nesto』のような場が必要なのかもしれません。

藤代「自分の人生が会社機軸になっていて、自分がない他律の人がよい企業人とされてきたけれど、だからメンタルを病んだり、テレワークになると退職してしまったり。そうなったときに自分をどう取り戻すかというと、やはり会社以外の居場所をつくることが大事だと思うんです。
平日は仕事で土日は家にこもり、友達にもそんなに会わないし近所のローカルコミュニティもない。そんなときに、目的も目標も何もないけれどそこにいていいと言ってくれる場があり、自分の存在を認めてくれたら、人は自分というものを取り戻し、会社との付き合い方を見直していく方向に向かうんじゃないでしょうか」

横山「『Nesto』のようにメリット訴求ではないものに共感して入ってきてくださる方は、先進性などある種の共通点があると思いますが、属性としては専業主婦の方がいらっしゃれば大企業勤務の方、フリーランスの方、海外に住んでいる方など多種多様です。めったに会う機会がない方と一緒になって、でも話題をひねり出してがんばって会話をする必要はなく、単純に本の感想とか、逆立ちして気持ちよかったねとか、おはようと挨拶をするだけで、なんかおもしろい。まったく属性の違う人たちなのに、ある一定の共通認識があるので安心感があるんですよね。
同じ属性や年収、思想の人が集まる一企業しか知らない人が、そういう違う世界観の人たちとちょっと挨拶をするだけで、意外と自分の世界が広がったりするんじゃないでしょうか」

藤代「それを“遠くのご近所”と呼んでいます。ソーシャルディスタンスというと何かネガティブなイメージですが、“遠くのご近所”はsocial neighborhoodであり、つまり距離感がありながら隣人の関係性を持っているわけです。ご近所くらいの近さはあるけれど、フィジカルなスペースは担保されているから、『リズム』でもマイクやカメラをオフにしてすごくスペースを担保しながら参加してもいいし、近づきたければ近づける。距離感はとても重要な概念ですよね」

横山「たとえば、鎌倉のとあるアパートにいろんな人が住んでいるとします。おばあちゃんもいれば、子ども連れのファミリーも単身のサラリーマンも住んでいる。でもこのアパートを選んだということは、何かしらの共通点があるよね、この町好きだよね、挨拶するとほっこりするよね。その中ですごく仲良くなる人もいるかもしれないし、ちょっと合わない人もいるかもしれない。でもちょっと共通点があって安心するね、みたいな雰囲気を、『Nesto』はオンライン上で作っているんだという感覚はすごくあります」

━━━最近アンケートをとったそうですが、ユーザーさんの反応はいかがでしょう。

横山「生活が整えられる、習慣が作れる、ひとりだと続かない習慣がみんなとなら続けられるという声が多いですが、つながる、あたたかい関係性、気持ちを分かち合えるといった反応も多いですね。

このアンケートでおもしろかったのは、“気づき”という言葉を使う人がとても多かったこと。先ほどお話ししたように、自分の軸足やバロメーターができるから、そこからはずれたときに自分は忙しいんだと気づけるという意味合いもありますが、『野草一会』のように、“日常にこんなおもしろいことがあったんだ”“普通の日常を解像度を高くして見直したらこんなところに野草があったなんて”“塩ってこんな味がしたんだ”など、どちらかと言うとマインドフルネス的な、自分の状態や自然の状態に気づけたという文脈が目立ちました」

藤代「季節は大きいですね。1年以上続けている人が多く、同じ時間にプランター栽培をしたり朝日を浴びる、外へ出るなどしているので、太陽の上り方や植生が変わる感じや、旬な食べ物を初めて意識したという声がありました」

横山「体が寒くて起きられないことに気づき、冬の到来を感じたとか」

藤代「断食の習慣を1年間続けるとやっぱり冬はしんどいとか、夏は甘酒が飲みたくなるとか(笑)

体のコンディションはずっと同じだと思っていたけれど、季節によって自分の求めているものが全然違うという気づきですね」

横山「ほかにも、“骨逆立ち禅のおかげで体に対する気づきが多くなってうれしい”とか、“習慣的に本を読むことができ積読がなくなって充実している”、“『リズム』に参加できないときは忙しさを実感して生活リズムを整えようと自然に意識が向く”など。“食塩の感度が上がった気がする”“毎日違う心と体を感じることができて楽しい”といった声もありました」

━━━コロナ禍が一服してまた満員電車に乗ったとき、もう前の生活に戻らなくていいんじゃないかと誰しも気づいたはずなのに、すっかり忘れてまたもとに戻りつつあります。そんな大切な気づきを習慣化する術が、『Nesto』にはありそうですね。

藤代「現代版の出家のようなものかもしれませんね。お坊さんは僧堂に集まって同じ規律の中で過ごすことで、環境的に修行を深めていきます。
『リズム』はたった15~30分で場所も自宅ですが、時間上に僧堂があって、そこに行くと和尚=教える人はいないけれど修行仲間がいて、正気に返れる、もとに戻れるという」

横山「出家と考えると、がんばって続けなきゃ、習慣にしなきゃと、つらくなるので…(笑)

たとえ習慣にならなくても、そういう時間を自覚したり、ふだんの生活にちょっと取り入れる意識を持つことが大事な一歩。その一歩を踏み出すのに『Nesto』を利用してください、『Nesto』で一緒にやっていきましょうという、ライトなイメージで十分です(笑)」

━━━鎌倉の古民家で暮らしながら、そこが『Nesto』の事務局でもあるのでしょうか。鎌倉で習慣化されたライフスタイルと『Nesto』が、地続きになっていそうですね。

藤代「そうですね。やはりこの鎌倉の家が本拠地なんですよ、人がとてもたくさん集まってくれるので。ここでの衣食住や時間の流れ方、空間の質感というものがそのまま『Nesto』の空気感になっていると思います」

横山「『Nesto』と共感性の高いホストは、ライフスタイルと『リズム』でやっていることの一貫性があったり、自分のライフスタイルこそ『Nesto』的なものだと強く感じている人がけっこう多いですね」

藤代「Nestoでの『リズム』を仕事として割り切って考えてないですよね(笑)」

横山「そこがおもしろさだと思います。『Nesto』的なライフスタイルに共感する人たちがいる。そこがちゃんと続いていけばいいなという思いはありますね。

今の時代、誰かのための時間が多すぎるんですよ。たとえば専業主婦なら、子どものため、夫のため、何かのため。自分のための時間は、思い返してみると意外と人生の中で持てていないのではないでしょうか。会社員の人も、気づいたら移動と仕事とちょっとした家事で1日が終わってしまう。自分のための時間を持つのは簡単なはずなのに、どうしてこんなに難しいのだろうと考えてしまいます。

何かを習慣にするのは、がんばって宣言したり計画を立てないと、意外と暮らしに取り込むのが難しい。そうなったときに、『Nesto』がいいきっかけになったらうれしいですね」

*文中に出てくる『リズム』の種目や開催日時は、変更・休止する場合があります。公式ホームページで最新情報をご確認ください。
https://www.nesto.life/

【インフォメーション】

Nesto
ホストが主催する同じ時間を、同じ行為で他のユーザーと共有する約30種類の『リズム』をオンライン上で開催。1か月コースまたは6か月コースのサブスクリプション制で、好みの『リズム』にzoomを通して自由に参加できる。入会前に14日間の無料体験あり。
https://www.nesto.life/